うえだ城下町映画祭
第22回自主制作映画コンテスト

『Living』

2024年 111分
監督=田中 夢
主なスタッフ:撮影=田中夢・川部良太 編集=田中夢
主なキャスト:田中とむ 田中夢 川部ちがや 川部良太 他

あらすじ

アルバイトを辞めて5年が経つ弟は社会復帰に踏み出せない日々を送っていたが、ある日突然、父が倒れた。心配して父を介助する一方で弟の生活はおざなりになってゆく。弟が生き辛いのは親のせいだと憤る私だが、家族の反応は予想外のものだった。弟はどう生きるのか?カメラを持った私が壊れかけた家族に挑む。

作品のメッセージ

社会から“普通”と捉えられがちな人の中には、他人から認識されにくい生き辛さを抱え、当たり前の生活が叶わない人がいる。私の弟もその一人である。彼と時間を共しているうちに、悩みもがきながら生きている一人の人が実際どのように生きているのか知ってもらいたいという思いが生まれ、本作の制作を開始した。だが、撮影を重ねる中で、監督である私は自身の過去や家族への怒りを弟に重ねて見ていることに気がついた。撮影する者も撮影される者も互いに影響し合ってその場にいて、撮影する者は客観的に傍観することはできないのだ。そう思った私は映画を撮ることで自分の感情に向き合い、弟に関わる一人として自身も撮影し、映画制作を通して家族の過去と現在に切り込んでいくことを決心した。そして、弟の生きている今と、家族の関係の変化を映し出すことを目指し制作に挑んだ。

監督紹介

2003年より俳優として舞台や映画に出演。2014年30歳で立教大学現代心理学部映像身体学科入学。初監督ドキュメンタリー映画『アクト』を制作。多数の映画祭にノミネートを果たした。今回は二作目。

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