うえだ城下町映画祭第21回自主制作映画コンテスト

『にびさびの巣』

2022年 41分
監督=岡田 深
キャスト=竹内啓、岡田深、ノブヲ 、夏目志乃、一芭、有希九美


あらすじ

地元石川県を出て東京で暮らす晴人は祖母である悦子の死をきっかけに変わりゆく人や街、時間の変化に戸惑い生き辛さを感じていた。そんなある日、晴人へ姉の茜から「家がなくなる」と連絡が来る。そしてその内容には祖母からの遺言が書き綴られていた。晴人は祖母の遺言を果たすため、小さい頃の記憶から今もなお当たり前のように変わりゆく故郷へと足を運ぶ。変わらずあると思っていた場所、変わるはずがないと信じていたもの、家に染み付く記憶とそして姉の嘘…。巣立ったツバメはまだ子供のまま、帰る場所を探していく。


作品のメッセージ

地元の過疎化、大型スーパーの進出により変わっていく街並み、自然破壊によって消えていく砂浜。そんな愛する地元の容赦のない変化に恐れを感じ、そして何より亡き祖母との思い出を映像媒体に残したいと長年地元・石川県で映画作品を作ることを一つの目標としてきました。そして2021年、順番が訪れるかのように祖父母の家の取り壊しが決定しました。今回の映画は「記憶の共有」が大きなテーマとなり、伝えたいことの主軸となっています。 “私にとって”重要な記憶の所在を映画という媒体に留めておきたい、というごく個人的な動機と同時に、遠い場所から記憶を頼りに同じ場所に帰燕する燕をモチーフに、「星の王子さま」から着色を得ることで俳優・岡田深の初監督作品として「人には人の帰る場所がある」という普遍的なテーマを描きます。


監督紹介

1992年生まれ。石川県出身。2012年New York Film Academyミュージカルコースを修了。帰国後、地元石川県にて劇団に所属し舞台基礎を学ぶ。2014年上京。現在、映画、舞台を中心に俳優活動を行っている。2021年山形国際ムービーフェスティバルにて最優秀俳優賞(船越英一郎賞)受賞。


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