うえだ城下町映画祭第17回自主制作映画コンテスト

夏の夜の花

夏の夜の花

2018年 24分30秒
監督=高橋伸彰
プロデューサー=荒井智晴
キャスト=梅舟惟永、ジャック・リー(李遠)/Jack Li、林恒毅、谷原広哉
予告編はこちら

あらすじ

大阪で生活する中華系の母と子。4歳になるヤンヤンは、父と数ヶ月前から会っていない。ある日、彼はかつて父が描いた花火の絵を見つける。それを見た母は、ヤンヤンに花火を見に行く約束をするも、その約束を日々の忙しさから忘れてしまう。


作品のメッセージ

この数年、インバウンド効果により海外からの訪日旅行客がますます増え、東京や大阪などの街中を歩いていると様々な言語が飛び交うのが聞こえ、その中でも特に中国語が耳に入る割合が非常に高くなった。今や、中国、台湾や香港など中華圏の国と地域にとって日本はより身近な存在になったことは明らかである。しかし、日本で生活する外国人はどうであろうか。言葉や考え方の違いから生じる孤独感、失望、そして国籍の壁に当たりながら、それでも前を見つめて生きている。 本作で描くのは大阪で生活をする中華系の若い世代である。留学中に恋愛を経て子供が生まれ、いつしかお互いの心が離れ離れになった母親と4歳の子供、そして父の姿を本作の柱に置く。家族が一体となって共有する時間と空間が減った今日、日本においても社会問題と連なる普遍的なテーマであり、背景や形は異なれども中国でも社会問題の1つとなっている。監督自身もほぼ母子家庭であったことから、その背景もこの作品に投影しています。社会と子供のあり方は各国で異なれども、この作品が文化や国籍、人種の違いを超えた共有できるテーマとして捉える事ができる。


監督自己アピール

36歳。大阪芸術大学映像学科卒業。 2011年に北京に赴き、中国語を勉強。翌年に中国政府奨学金を受け招待留学生として中央戯劇学院に在籍する。2018年に中央戯劇学院映画学科の博士課程を修了。博士論文テーマは「川喜多長政の戦時中における中国での映画製作」。中国で様々な映画製作に従事する一方、近年は俳優としても活動している。

PAGE TOP