うえだ城下町映画祭第20回自主制作映画コンテスト

『走れ!走れ走れメロス』

2022年 53分
監督=折口慎一郎
キャスト=曽田昇吾、常松博樹、石飛圭祐、佐藤隆聖、亀尾佳宏
予告編


あらすじ

全校生徒70名。島根県にある最も小さな公立高校の分校で、4人の男子生徒が演劇を始めた。「走れメロス」を題材にした芝居で、高校演劇の地区大会に挑戦するも、新型コロナウイルス感染症により無観客での開催に。県大会にも進出できず、誰にも見てもらえないまま歩みを止めると思われたメロスは、思わぬ方向へと走り出して…。 コロナ禍であらゆる活動が制限される中、演劇に初めて触れた少年たちの姿を追ったドキュメンタリー映画。

作品のメッセージ

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、あらゆる活動が制限されました。人と人とが向かい合う「演劇」もその一つ。そんな時期に、島根県立高校の中で最も生徒数が少なく、統廃合の対象になったこともある分校で、「不要不急」とされた演劇に取り組む高校生の姿は、「経済的・合理的かどうか」「生きる上で必要かどうか」で物事が線引きされがちな時代に、あらためて「豊かさとは何か」を問い掛けます。
また、生き辛さを抱える高校生が、演劇と出会い、成長していく様子は、「コロナ禍でも青春は奪えなかった」ことを示しています。「演劇がやりたい」という叫びは、自粛が求められた当時の世の中へのカウンターパンチのようにも映ります。

監督自己アピール

1988年生まれ、広島県安芸高田市出身。京都大学大学院理学研究科生物学専攻(人類進化論研究室)でニホンザルの行動観察の研究をまとめ、修士課程修了。2013年からは、広島県を拠点にする中国新聞社に記者として入社し、中山間地域で暮らす人たちの営みや自治体を中心に取材してきた。大学在学中に学生映画の制作に取り組んだことから、活動の幅をドキュメンタリー分野にも広げ、動画だけでなく文章や写真でも発表を続けている。

 

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