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レポート

第14回うえだ城下町映画祭のゲストトークと表彰式の様子を報告します。

「サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」ゲストトーク
マミー役・桜井ふみさん、クドー役・加藤真弓さん、IKKU役・駒木根隆介さん

サイタマノラッパー2ゲストトーク  初っ端、桜井ふみさんがラップでの自己紹介・・・加藤真弓さんから「自己紹介はちゃんとやろうってさっき打合せしたでしょ!」と突っ込みが。早くもキャスト同士の仲のよさが垣間見られます。加藤さんは「普通に」自己紹介をし、続いて駒木根隆介さんがラップで自己紹介。
 撮影中のエピソードでは、川原での男子ラッパー対女子ラッパーの場面が、下が砂で足場が悪く、かつ約7分の長回しなので、出演者はもちろんカメラ・音響などのスタッフ、釣り人役の脇役までかなりの緊張感を持って臨んだ。そんな場面の最後、駒木根さんが逃げる途中で予定外に転んでしまいかなり焦ったが、TOM役の水沢さんが機転を利かせ、追いかけてきた釣り人を突き飛ばしてくれたおかけで事なきを得た。
 また、タケダ先輩を模した「タケダ岩」がすごくよくできており、地元の人もあんな岩あったっけ?って首を傾げるほど。実は地元の業者が作った小道具だったがあまりの芸の細かさにゲストの方々が感心するほど。ところがこの作り物が精巧すぎ、撮影後の撤去作業時に、地元の人から「岩泥棒がいる」と2回ほど通報をされた。岩を調べた警察は、連絡無線で一言「事件性ありません」と言って帰っていったそうだ。
 出演者の皆さんは普段ヒップホップを聞くこともない、ラップ初心者ばかりなので、撮影に入る前にも集まって練習を重ねた。サイタマノラッパー1の時にはぶっつけ本番のような形だったそうで、駒木根さんは女性キャストがうらやましかったとか。
 県内からSRのファンでIKKUそっくりの格好をしてきたお客様もいらして、最後は加藤さんも"うえだ城下町映画祭"をネタ?にラップを披露、終始和気あいあいとした雰囲気の楽しいゲストトークだった。
 現在、入江監督は次回作(栃木編)の脚本を執筆中ということで、次回作への期待も高まります!

「武士道シックスティーン」古厩智之監督ゲストトーク

古厩智之監督ゲストトーク 自主映画出身のトップランナーの一人であり、青春映画の代表的な存在の古厩智之監督が、自身の現在の立ち位置や映画の将来について熱く語った。
 とはいえ、ご本人は「青春映画の旗手」と呼ばれることに少し抵抗も感じてきたそう。その理由は「もう40歳を過ぎたし、おっさんが青春映画好きっていう のもなんだか気持ち悪いじゃないですか?とのこと。」(そんなことはありません!=映画祭スタッフ)また、「武士道シックスティーン」だけでなく、「ロボコン」の長澤まさみをはじめとして、「奈緒子」や「さよならみどりちゃん」など、過去の作品でも、出演している役者が輝くような映画を撮ってきたことに対して、「キャスティング はプロデューサーとよくよく相談して決める」ということで、それがうまくマ ッチしているようです。また演技指導では「自分は何も指示しない。やるとすれば位置決めをすることくらい」とのことで、役者本人の中からにじみ出る 想いを大切に撮影しているそう。
 この世界で65歳までやっていけるのかが常に不安・・・、などと意外な、でもこれが現状なのだろうという本音も飛び出した。

「さんかく「メリちん」吉田恵輔監督ゲストトーク

吉田恵輔監督ゲストトーク  上田にはプロモーションビデオの撮影などで照明スタッフとしてよく来ていたので、自分で映画を作る時にロケ地として浮かんだのが「上田」だった。上田には海以外はすべてある、どこを撮っても、日本のどの場所の風景にもなるそうだ。
 でも「新宿」は撮れなかった。駅前で試みてみたが、どうしても山が入ってしまうので仕方がなく東京に戻って新宿で撮影した。
 脚本を書く段階で(信州上田フィルムコミッションの原さんに、上田で撮影したいと言ってなかったけど)上田を想定して書いたので、どこもピタッと合った。
 ロケハンすると、撮りたいところがたくさんでてきてしまう。「メリちん」で、地元の人が見るとおかしいと気づくだろうが、2つの神社で撮影をして1つの神社の設定になっているなど、贅沢な使い方をしている。上田はフィルムコミッションが本当によくやってくれるし、市民もとても協力的。日本一のフィルムコミッションだと思うとのこと。
 ここで吉田監督と一緒に来ていた「メリちん」のゴンザレス鈴木役の仁志原了さんが、監督に呼ばれ飛び入り参加。映画では丸刈りでにらみつけるような顔なので、とても恐そうなイメージだが、当日は髪の毛も伸びよくよく見ないと本人だと気付かないほど・・・。
「メリちん」は、何気ない日常を淡々と描いた映画。(ドラえもんのキャラクターにたとえて)ゴンザレスががジャイアン、メリちんがのび太、マチがしずかちゃんで、それぞれが大きくなってもう一度再会した物語。
 最後に監督が、上田ロケの自主映画2本(「なま夏」「メリちん」)がなければ、映画の世界に留まらなかったはず・・・、と上田や地元のエキストラに御礼を述べた。

第八回自主制作映画コンテスト表彰式

第八回自主制作映画コンテスト表彰式  八回目を迎えた自主制作映画コンテスト。表彰式は、大賞の西中拓史監督、大林千茱萸賞のYoshino監督、永井正夫賞の鈴木研一郎さんをお迎えして行われました。古厩智之賞の武田真悟さんはお仕事の都合で来られず、翌7日(日)に衣装スタッフの方と会場にいらしてくださいました。
 表彰式では品田雄吉委員長から大賞、各審査員から審査員賞が授与された後、審査員からのコメントと、受賞監督から感想や今後の活動についてお話をお聞きしました。また、夕方には受賞者、審査員、サイタマのラッパー2のゲスト、映画祭スタッフを交えて懇親会を行いました。
 なお、受賞作品は上田市マルチメディア情報センターの映像ライブラリーで12月中旬から無料で視聴できる予定です。また、一部の作品をインターネットで配信します。
 受賞作品の内容など、詳細は自主制作映画コンテストのホームページをご覧ください。 第八回自主制作映画コンテスト表彰式