うえだ城下町映画祭第21回自主制作映画コンテスト

『ゴールド』

2022年 128分
監督=知多 良
キャスト=小畑みなみ、サトウヒロキ、幸田純佳、松木大輔、太志、椋田涼、ゆかわたかし、関口蒼、卯ノ原圭吾、加茂井彩音、平川はる香、ksayaka、グッナイ小形
予告編


あらすじ

正社員のミキと、フリーターの弘樹。二人は高円寺の路上ライブで偶然出会い恋人になる。ミキの自立した強さに惹かれ憧れた弘樹は正社員になる。しかしミキは弘樹に無理しないで楽なバイトをしてて欲しかった。毎日笑ってて欲しかった。弘樹は男ばかりの職場で、陰口や差別的な発言に傷つき、毎晩溜息をつくようになる。ミキはミスをしがちな後輩と、パワハラやセクハラ発言をする上司の間で疲弊し、弘樹にキツイ冗談を言い傷つけてしまう。笑顔を奪ってしまう。稼ぎのない男との付き合いを反対する友人。「あるがまま」なんて甘やかしだと腐すベンチャー企業社長。「あるがまま」生きるために声を上げ社会を変えようとする後輩。誰にも言えない秘密を抱えて普通のフリをして生きる人。少数であることを非難されても、称賛と受け止める高円寺の飲み友達。仕事と生活の間で様々な人達に出会い、なにかがズレていく2人。それでもミキは弘樹と一緒に居たかった。同じ時を過ごしたかった。


作品のメッセージ

この映画は2人の男女の「生活」と「仕事」と「恋愛」の始まりから終わりを描いた映画です。そして恋愛の外で出会った多様な人達を描いた映画です。終わりのある時間の中で、誰かとともに生きてることを考えながら物語を作りました。大切にしているものを傷つけられたり、それなのに誰かを傷つけてしまったり。簡単に誰かを加害者や被害者と決めつけず、1人の人間の中の多様性を描くことを心がけました。単純な悪人も善人もいない。絶対的な正義もない。名前のまだない弱さを抱えて、名前のある多様性の外側で生きている人もいる。そんな思いで作った映画です。この映画が、この先の現実を生きている誰かの糧になったら嬉しいです。


監督紹介

18歳のときに黒沢清監督の『アカルイミライ』に出会う。言葉にならない感情が繊細に表現され、的確に描写されてたことで、映画が現実の延長にあることを信じ映画に熱狂していく。その後、フリーターをしながら古今東西の映画を映画館で浴びるように体験し、2010年、早稲田大学川口芸術学校に入学しアニメからドキュメンタリーまで映像について幅広く学ぶ。2014年、多くの人に届く映画が作りたく、ニューシネマークショップに通う。その後、自主制作で短編映画を制作。2016年、世代間格差と恋のはじまりを描いた短編映画『ロープウェイ』が11th 福井映画祭短編部門にてグランプリ受賞。2017年、短編映画『前世、河童』がフランス グルノーブル屋外短編映画祭にて招待状上映。2020年、グッナイ小形『きみは、ぼくの東京だった』MVを監督し米国アカデミー賞公認映画祭Short Shorts Film Festival&Asia Cinematic Tokyo部門にノミネート。2023年、池袋シネマ・ロサにて監督特集が1週間開催される。


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