実行委員会選定作品上映について

コンテストの受賞作品の他に、実行委員会が選定した7作品を上映します。

日にち:11月30日(日) 会場:幻灯舎 入場無料
10:00〜10:16 「キユミの森 サユルの澱」 監督:杉田愉
10:19〜11:41 「ぎらり」 監督:太田真博
11:45〜12:33 「友を待つ」 監督:橋直
13:20〜13:54 「嘆き」 監督:神村友征
13:57〜14:27 「ひとまずすすめ」 監督:柴田啓佑
14:30〜16:26 「蒼のざらざら」 監督:上村奈帆
16:30〜17:00 「ネクタイと壁」 監督:山本亜希

作品紹介

「キユミの森 サユルの澱」(16分)

監督:杉田愉
キユミの森 サユルの澱

<あらすじ>
草原で飼い犬を連れてピクニックをキユミと楽しむサユル。すると突然走りだしたサユルの愛犬が行方をくらまし、やがて森の中で死を迎える。彼女たちの暮らす地方では「お墓に眠る祖先や家族の霊を迎えに行き自らの背中におんぶして、迎え火を焚いた家まで連れ帰る」といった風習が今も続いている。愛犬の墓参りに独りで訪れたサユルは愛犬の霊を自らの背中におんぶするも、家には帰らず神妙な面持ちで奥深い森の中へと消えて行く。
<応募作品についてのメッセージ>
初秋から晩秋へと移りゆく風景のなかで思春期特有の繊細且つ複雑な心のありようと感情移入を妨げるほどの圧倒的な才能の残酷さを描き、第85回キネマ旬報ベストテン文化映画部門にランクインを果たした前作『キユミの詩集 サユルの刺繍』から3年。役柄同様に高校生となった品田涼花、丸山桃子を引き続き主役に抜擢。猛暑の森を彷徨い続ける主人公達の疲労感を伴う荒い息遣いに森に生息する様々な生き物達の声がいっせいに共鳴する。日本に伝わる仏迎えの風習を題材にした「観るべき映画ではなく聴くべき映画」ともいえる物語。
<監督自己アピール>
1974年10月29日新潟県柏崎市生まれ。中央大学文学部哲学学科卒。主な監督作品『貝の耳』(2004)、『キユミの肘 サユルの膝』(2006)、『花に無理をさせる』(2009)、『キユミの詩集 サユルの刺繍』(2010)

「ぎらり」(82分)

監督:太田真博ぎらり

<あらすじ>
自主映画監督の水野まひろは、同級生の披露宴に向け、余興映画撮影に明け暮れる。ユニットを組む女優・畑中柚希と暮らす部屋には定期的に無言電話が――。史上最大の愛の真っ只中にいながら友達の結婚を本気で祝う三十歳のまひろ、そのほんとうに生きた日々。
<応募作品についてのメッセージ>

演劇映画ユニット・松田真子の舞台第1作『三十歳のほとんど』のスピンオフ作品として制作しました。
<監督自己アピール>
自分に映画を撮る資格があるか悩んだ時、浮かべた人たち、支えてくれた人たちに観ていただいたくて作ったこの映画が、僕と接点を持たない人たちにもたまたま届いたらいいなと思います。

「友を待つ」(48分)

監督:橋直友を待つ

<あらすじ>
とある街に、殺しを生業とする、安藤丈(あんどうじょう)という男がいた。家族も恋人もいない彼は、行方不明の相棒と、数年前にかわした約束だけを頼りに生きていた。孤独な生活を送る彼のもとに、「殺し」ではない変わった依頼がまいこんできて――
<応募作品についてのメッセージ>

「再生への第一歩」をテーマに、メッセージ性とエンターテイメント性を両立させた作品をとりたいと思い、企画しました。

<監督自己アピール>
2013年度デジタルハリウッド大学卒、在学中に演出と脚本を学び、現在にいたるまで自主制作映画を撮り続ける。今作では撮影・脚本・演出も兼任。

「嘆き」(34分)

監督:神村友征

嘆き

<あらすじ>

父が人身事故を起こしてからというもの、家族は身を隠すように生きてきた。10年ぶりに交通刑務所から出所した父を許せない紗枝は家を飛び出す。その先で1人の少女と運命的な出会いを果たす。

<応募作品についてのメッセージ>
会社設立後、様々な分野で映像を制作してきたノウハウを映画製作に活かしたく制作しました。
<監督自己アピール>
2015年春公開予定の長編映画を2014年夏(8月)に制作予定。

「ひとまずすすめ」(30分)

監督:柴田啓佑

ひとまずすすめ

<あらすじ>

人生のドラマが行き交う市民課戸籍係。慌ただしい中マイペースに動く花村美幸。三十路も目前、彼氏無し、父との二人暮らし。淡々とした生活が続いていくと思っていた美幸に突然ふりかかる事件の数々が・・・。

<応募作品についてのメッセージ>
生きる上で直面する多くの問題「結婚」「家族」「夢」「幸せ」。淡々と生活をしながらさまざまな葛藤を抱えて、日々を生きています。何気ない日常の中に起こる問題を通して、心の深いところの共感を引き出せたら考えています。
<監督自己アピール>
1984年2月10日生まれ、静岡市出身。2012年、日本映画学校卒業。在学中からさまざまな現場に参加。在学中に製作した「ヤギおまえのせいだ」がいろいろな映画祭で上映される。現在も精力的に製作を行っている。

「蒼のざらざら」(116分)

監督:上村奈帆

蒼のざらざら

<あらすじ>

成長していく中で、すれ違っていくあおいとあやこ。 “変わらない”事は、守り続けるべきことだったのだろうか…。 時間を超えて、愛を思い出す物語。

<応募作品についてのメッセージ>
嘘も本当も、約束も裏切りも、生きている限り変わり続ける。だけど、変ったって嘘なんかじゃない。あの瞬間精一杯誰かを想ったあの気持ちは、確かな愛なんだ。そんな事が伝わったらいいです。
<監督自己アピール>
観ていただいた方の明日につながるエネルギーになったら嬉しいです。そういう思いで作りました。

「ネクタイと壁」(30分)

監督:山本亜希

ネクタイと壁

<あらすじ>

ヤンは父の遺体に着せた福に会うネクタイをなかなか決められないまま思い出に映る、この父子にとって、父のネクタイの結び目と息子が壁に描いた絵が、ずっと一種のコミュニケート手段だった。

<応募作品についてのメッセージ>
ずっと家族をテーマにした作品を作ってきました。今回は父・息子の関係を描きます。観おわった後、みなさんが家族のことを思い出したりしてくれるとうれしいです。
<監督自己アピール>
日本で生まれ育ち、フランスで映画を学んだので、日本人としての感性をフランスのエスプリの融合した、私にしか作れない作品をめざします。