■受賞作品
平成16年 11月13日(土)、第8回うえだ城下町映画祭において第二回自主制作映画コンテストの結果が発表されました。
「自主制作映画部門」
大賞
監督: 入江 悠
作品: 「SEVEN DRIVES」ならびに「部屋の片隅で、愛をつねる」
審査員賞
大林千茱萸賞
監督: 杉田 このみ
作品: 「こぎいでな」
古厩智之賞
監督: 葛西 勇也
作品: 「春を想ふ」
永井正夫賞
監督: 田中 智章
作品: 「四畳半のテロリスト」
■私のうえだ部門
最優秀賞
監督: 西入 幸代
作品: 「甲田池のかっぱ」
奨励賞
監督: 竹内 弘
作品: 「飯綱社物語」
自主制作映画部門 大賞 監督: 入江 悠 作品: 「SEVEN DRIVES」(24分) |
地方の町で男と女はマンネリ化した毎日を送っている。一週間はあっという間に過ぎ去り、男はある決意をする。
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自主制作映画部門 大賞 監督: 入江 悠 作品: 「部屋の片隅で、愛をつねる」(27分) |
アイドルグループのライブ会場。その控え室で着ぐるみを着た男と女た出番を待っている。次の出番がやってくるまでの二人の短い交流の様子。 演劇の一幕物のような芝居を作ってみたくなり、この作品を制作しました。時間をとばさずにどこまで芝居を作れるかという点に注意をしました。 |
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自主制作映画部門 大林千茱萸賞 監督: 杉田 このみ 作品: 「こぎいでな」(60分) |
2003年夏。瀬戸内海にある睦月島。そこで育った潮(うしお・14歳)は、少年式に発表する「将来の決意」作文が書けない。そこへいとこの伸太が東京から遊びにくる。 大学院修了制作の為つくりました。本物の人間関係や島の行事の中に架橋の問題があるというフィクションを交え構築したドラマです。 |
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自主制作映画部門 永井正夫賞 監督: 田中 智章 作品: 「四畳半のテロリスト」(55分) |
無気力で覇気もなく生きる映画監督志望の青年があるきっかけで、一人の女子学生と出会い、力強く生きていこうと、一歩踏み出すまでを描いたドラマ作品。 昨年のイラク戦争開戦時、途方のない虚無感におそわれ「この時代に映画に出来ることはあるのか?」と自問しつつ答えを見つけたいと思いながら、やむにやまれず、不器用な“衝動”だけで作った作品です。 |
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自主制作映画部門 古厩智之賞 監督: 葛西 勇也 作品: 「春を想ふ」(20分) |
桜も散って木々の若葉に緑が宿る頃、役者として上京する金子のもとを後輩のめぐみが訪れる。 役者たちの人間らしい魅力をいかに引き出すかという点を意識しました。 |
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私のうえだ部門 最優秀賞 |
いたずらをくり返していたかっぱが、心やさしいおばあさんにさとされ、お礼に膳を用意するようになった。膳を持ち去った欲深なおばあさんが報いをうける。 |
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私のうえだ部門 奨励賞 監督: 竹内 弘 作品: 「飯綱社物語」(14分15秒) |
倉升にある小さな神社 飯綱社のお祭時ののぼり立ての場所が道路拡幅により移転する事になった。移転の記録とお祭行事を入れながら歴史を調べた。 産土神と地域住民(自治会)。そこへ出てきた信仰の自由。むずかしい問題である。私は産土神は子供の古里と思う。子供には生まれた古里を残したい。 |
■審査員のコメント
大賞
大賞については両作品とも甲乙つけ難いほど審査員の間での評価が高く、
今回、監督の入江 悠様に与えることといたしました。
入江さんの2本はぜんぜん違う内容の作品でしたが、両方とも素晴らしい作品で
映像作家としてこれから ますます活躍してもらいたいと思います。
大林千茱萸賞(大林審査員)
杉田このみ監督様
まずは受賞お目出度う御座います。
「こぎいでな」は武蔵野美術大学院修了制作とのことですが、
いまの日本映画に必要で、大事な、大切な“コトガラ”が、
たくさんたくさん込められている映画だと思います。
美しい日本、穏やかな日本、大らかな情景。
変わる日本、変わり行く日本、変わらざるを得ない日本。
フィクション⇔ノンフィクションへの移行具合、そのバランス。
真摯に見詰めることで浮かび上がる「架橋」への問題定義。
島で生きる人間の顔がきちんと見える映画です。
「こぎいでな」を創ってくれて有難う。
ぜひまた新しい映画を観せて下さい。
古厩智之賞(古厩審査員)
主演の女のコ・・表情とぼしく能面みたい。魅力的なのはすらりとした脚だけだなあ・・と思っていたら、
彼女が嘘を付き始めた途端、どんどん魅力的になってきた。ホントはいったいどんな子だ?と引き込まれた。
あの無表情は演技だったのかも。僕はしてやられたのでしょうか。作品自体はまだまだ拙い。ただ愛があった
ように思います。主演の彼女。京都での学生生活。町家という空間。夜、町を走ること・・そんないろんなもの
への愛おしさが溢れていました。 映画ってのは自分が何を愛しているかをひとにそっと語るものだと思います。
この作品、好きになれました。
永井正夫賞(永井審査員)
田中さんの作品は、 本(シナリオ)が非常に上手く出来ていた。出来れば活字で読んでみたいなと思いました。
構成に関しても、シナリオライターとして相当いくのではないでしょうか。
今や、監督といえどもシナリオを書くので、皆さんもぜひ書いてください。また、職業として選べるかは、これ
からの努力次第だと思います。
審査員をやっていて一番刺激的だったのは、皆さんの作品を観る事によって、色々なサゼスチョンがあっ
たこと。我々の通常な凝り固まった脳の中に新鮮なものを吹き込んでくれるので、コンテストの応募作品を
観ることが楽しみになっています。
私のうえだ賞(吉村審査員)
応募作を見て全体として感じられるのは、材料がとてもいい。でも、ものすごくいい材料を使いながら、
もうちょっと料理法を工夫したらいいなあというのが何作かありました。あるいは、違うスパイスを効かせたら美味しく
なったという作品もありました。また、すぐインタビューに逃げてしまうことも気になりました。インタビューの背景を考
えていない、あるいは作品の内容を考えずにインタビューのシーンで逃げるのは残念。映画ってのは、インタビュー
で聴いた内容をどういうふうに見せてくれるのかという楽しみだと思うのです。話を聴くだけでは映画にならない。
また、色々伝えたくて、テーマが二つになってしまったりして、どちらが作者が表現したいテーマなのかがわから
ない作品もありました。その中で、「甲田池のかっぱ」にはロマンがあり、「飯綱社物語」には愛情が感じられました。
■受賞作品上映の予定
(1)受賞作品をマルチメディア情報センターDVDライブラリーに収蔵されています。
DVDライブラリーは上田市マルチメディア情報センター入口にあり、来館者が、
棚から選んだDVDをご覧になれます。鑑賞料金は無料です。
(2)作品を上田市内の公共施設、もしくは映画関連施設などで上映する予定です。
■お問合せ先 | うえだ城下町映画祭自主制作映画コンテスト事務局 〒386-1211 長野県上田市下之郷812-1上田市マルチメディア情報センター内 業務課 尾崎 TEL: 0268-39-1000 FAX: 0268-39-1010 E-mail: info@umic.ueda.nagano.jp URL: http://www.umic.ueda.nagano.jp |
■主催 | うえだ城下町映画祭実行委員会 (上田市・上田市教育委員会・上田市マルチメディア情報センター) |